サイト開設のお祝いに、はやおさん(HP:最果て倉庫)が小説をくださいました。
「糖分高いので…!イルカ先生がカカシさんを甘やかしまくる感じのを…!」とリクさせて頂きましたらば、こんなに甘々イチャイチャの二人が…!
はやおさん、本当にありがとうございます!!


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任務帰り受付に報告書を提出して、へとへとになった身体を引き釣りながら、はたけカカシは家路へと急いでいた。
帰ったら風呂に入ってさっぱりしたら、何か口にしてもう寝てしまおう。
そんなことを考えながら、商店街を歩いていると、弁当屋の方から良い匂いが漂ってくる。
そう言えばあの店は、うみのイルカがよく弁当を買いに立ち寄る店だったなと思いつく。
うみのイルカとは、カカシの部下の恩師であり、中忍試験で大もめした相手で、ほんの少しばかり興味を引く人物だった。
愛想は良いものの、実は仲間内では人嫌いで有名なカカシが、興味を持つこと自体珍しいのだが。
そんなことには気がつかずに、カカシはふらふらと弁当屋に向かう。
もうこの際何でも良いから腹に入れようと、店の中へと足を進めた。
うーん、イルカ先生って、いつもこんなこってりしたもの食べてるんだ。
店頭に並ぶ弁当は、いかにもガテン系の男子が好みそうな肉、肉、肉のオンパレードで、揚げ物が多かった。
「何にする?」
店のおばちゃんに声をかけられては、今更買わないわけにも行かず、カカシは無難なところでヘルシーな雑穀米弁当にした。
「はいよ。それからこれ、引いてみな」
おばちゃんは弁当を渡すと、ダンボールで出来た小さな箱を差し出した。
どうやら店先に飾られていたポスターに書いてあった、スピードくじのようだ。
その場で当たりが分かるからというおばちゃんに勧められて、カカシは一枚くじを引いた。
中をめくるとそこには一等の文字が。
「おお!アンタ、凄いね!一等木の葉温泉ペアチケット当選だよ!!」
おばちゃんは興奮した様子で、店の奥からチケットを二枚持ってきてカカシに手渡した。
「本当ならアンタみたいないい男と温泉に行ってみたいところだよ」
そう言うおばちゃんに「温泉旅行なんか興味がないから、いらない」とも言えず、カカシは素直に受け取ると店を後にした。

翌日カカシは温泉チケットをベストの胸ポケットに入れたまま、上忍待機所のソファーに腰掛け、イチャパラを読んでいた。
待機所の窓から差し込む光は暖かくて、晴れた冬空は空気が澄んでいるせいか、木の葉を囲む山々の峰まではっきりと見える。
このまま急な任務が入らなければ、のんびり昼寝でもして過ごしたいくらいだ。
そんなことを思っていると、涼やかな女性の呼び声が聞こえた。
本から顔を上げると、すぐ側に紅が立っている。
「カカシ。昼間っからイチャパラ?まさか子供達の前でも読んでたりしないわよね?」
どっかりとカカシの隣に腰を下ろした紅に、カカシは「読んでるよ」とだけ答える。
紅はその言葉に目を丸めて、呆れた顔を浮かべた。
「アンタの部下に同情するわ」
「別に良いでしょ?あいつらだってすぐ大人になるんだから」
紅は「ふーん」と気がない返事をして、「こんなに暇なら、どこか旅行にでも行きたいわ~」 と口にした。
旅行、旅行ねぇ。
その時カカシは胸ポケットの木の葉温泉のペアチケットを思い出した。
「紅。せっかくだから、温泉旅行に行かない?」
どうせ使い道のない物だ。紅にあげてしまおう。
そんな思いと裏腹に、紅は「やーよ。アンタと一緒なんて」とジト目で睨み付けてきた。
「誰が一緒に行くって言ったの。俺はいらないから、アスマとでも行ってくれば」
そう言って紅にチケットを差し出したのだが。
紅は盛大なため息をつくと「せっかくだけと行けないわ」と口にした。
「アスマのやつ、長期任務に出てるのよ。しばらく帰って来ないから」
「そうなんだ」
「アンタこそ、誰か一緒に行く人いないの?」
「残念ながら、いないのよねぇ」
「まぁ、アンタ人嫌いだから。懇意にしてる人もいないか」
紅はさらっと口にして、何かを思いついた顔を浮かべた。
「そうだ。温泉って言えば、イルカ先生よ。イルカ先生って、湯治が趣味だって言ってたわ。一緒に行ってくれば?仲直りもかねて」
中忍試験でのいざこざを口にして、紅はにんまりと笑う。
「この機会に友達作りなさいよ。アンタ友達いないんだから」
イルカ先生なら受付にいたわよと紅はカカシの背中を押す。
カカシは無理矢理上忍待機所から追い出されると、チケット片手にため息をついた。
イルカ先生、イルカ先生ねぇ……俺が誘ったところで頷くとは思えないけど。
カカシは後頭部をボリボリと掻きながら、渋々受付へと歩を向けた。


「温泉旅行ですか?行きます!行かせてください!」
受付に並ぶ人がいなくなったところで、カカシがさりげなく声をかけると、イルカは一瞬怪訝な表情を浮かべたが、すぐに笑顔を浮かべて、カカシの申し出に頷いた。
まるで口論したことが嘘みたいに、イルカはにこにこと上機嫌で接してくれた。
杞憂だったのかねぇ……
すっかりイルカには嫌われたと思っていたカカシは、彼の返事に拍子抜けした。
ちょうど一週間後、まるで示し合わせたみたいに二人の休日が重なっていたので、カカシは温泉旅行に行くのはその日に決めた。
一泊二日の小旅行だ。
木の葉温泉まではさほど遠くないし、往復の時間を差し引いても、宿でのんびり出来るはずだ。
多少の気まずさはまだ残っているけれど、宿に着いたらお互い思うまま過ごせるだろうし、イルカはきっと温泉三昧だ。
カカシはその間イチャパラ片手に昼寝をしようと決めると、受付を後にした。


温泉旅行当日大門の前で、支給服にコートという出で立ちの、まるでこれから任務に行くとしか思えない姿のカカシの前に、イルカは私服で現れた。
「お待たせしました!」
イルカは厚めのダッフルコートを纏い、首からは暖かそうなマフラーを提げている。
本当に旅行するつもりだったんだ。
いつもとは雰囲気の違うイルカの姿に驚きながらも、寒さのせいか赤く火照る顔で嬉しそうに笑うイルカの姿が何故かとてもほほえましくて、自然とカカシの顔も柔らかくなる。
「それじゃ行きましょうか」
「はい」

木の葉温泉までの道中は、部下達の思い出話に花を咲かせていると、あっという間に旅館に着いてしまった。
畳敷きの風流な部屋に案内されて、部屋に付くやいなやイルカはいそいそと着替えを持って大浴場へと向かっていった。
カカシは雪見障子から覗く白銀の世界を眺めながら、ぼんやりと時間を過ごす。
里の外だというのに、緊張感の欠片もなく、こんなにのんびり過ごせるのはいつ以来か?
それすらも思い出せないほど任務漬けだったなと、一人苦笑した。
どれくらいそうしていたのだろう。
部屋の引き戸が開いて、現れた湯上がりのイルカの姿を見て、カカシは驚いた。
肩まで下ろした濡れた髪に、ほんのりと赤く染まった肌の、どこか艶めかしいイルカがそこにいた。
「良いお湯でしたよ。カカシ先生も入ってきてください」
照れくさそうに笑うイルカは浴衣姿のせいか、普段見たこともないくらい可愛らしく見えて、一瞬見ほれてしまった自分に、カカシは狼狽した。
イルカ先生が可愛い?そんなはずは……
カカシは首をひねりながらも、部屋を後にした。


温泉で冷えた身体を暖め、浴衣に着替えて部屋へ戻ると、既に用意されていた夜食を前に、イルカが行儀良くちょこんと正座をしてカカシを待っていた。
「先食べててくれて良かったのに」
カカシの言葉にイルカは笑って熱燗のとっくりを手に、カカシのおちょこに酒を注ぐ。
「こうしてカカシ先生とまた酒が飲めるなんて、凄くうれしいです」
そう言えばイルカとは以前一度だけ、一緒に飲みに行ったことがあった。
あの時のこと、覚えてくれていたんだ。
えへへへと笑うイルカはまるで悪戯好きな少年のように幼く見えて。
普段の真面目で実直な教師の姿からは想像も出来ないくらいだ。
イルカ先生にこんな顔があったなんて。
誰にも教えたくないと思ったところで、カカシは我に返った。
今俺は何を思った?
「カカシ先生?早く食べないと、冷めてしまいますよ?」
「ああ、そうね。食べましょ、食べましょ」
カカシは疑問を払拭するように、夜食を味わうことに集中した。


楽しく語らい、酒を酌み交わし、腹も膨れてきた頃になると、お互い酔いも回ってきた。
そろそろこの辺で布団に入って休もうかと思っていた頃、完全に潰れてしまったのか?イルカがその場にごろりと身を横たえた。
カカシはイルカの元へ行くと、身体を揺さぶり起こそうとする。
「イルカ先生。こんなところで寝ちゃダメですよ?」
「ん……まら、だめれす」
半分寝ぼけているのか?イルカはろれつの回らない声を上げる。
酔いが回ったイルカの身体は熱くて、まだ濡れた髪が張り付く首元はうっすらと汗ばんでいた。
首筋はカカシの想像していた以上に細くて、もっさりとしていると思っていた身体は、着膨れしていただけのようだ。
はだけた浴衣から覗く太ももがやけに色っぽくて、カカシは跳ね上がった心臓に驚いた。
次いで沸き上がった欲求に、冷や汗が流れる。
触りたい。
「イルカ先生……」
熱のこもった声で呼びかけても、半分眠っているイルカは、小さな意味のない声を零すだけだった。
ダメだ、しっかりしろ。
自分に活を入れて、沸き上がる欲求に蓋をする。
カカシは冷や汗を掻きながらもイルカを布団に運ぶため両腕を抱えて持ち上げると、イルカが小さく鼻声を漏らした。
「は……ん」
それがまるで閨の中であげる声のように思えて、カカシの心臓は高鳴った。
「イルカ先生」
カカシはイルカを抱き上げると、布団へそっと下ろす。
先程以上にはだけたイルカの身体に、あらぬ場所に血が集まり始めて、カカシはドキドキしたまま、イルカの耳元に唇を寄せた。
「あの……触っても、いい?」
「んぁ?いいれふよ」
イルカはうっすらと目を開けると、微笑んだ。
イルカ先生は俺の言葉の意味は、分かってるはずがない。
そう思うのに、イルカの返事を良いように解釈して、カカシはそっとイルカのあごを上向かせると、啄むように唇を寄せた。
チュッチュッと小鳥が啄むようなキスを繰り返すと、薄く開いた唇の隙間から、熱い舌を潜り込ませる。
苦しいのか?イルカが小さな呻き声を上げたので、ほんの少し唇を離すと、まるで追いかけるようにイルカは唇を寄せて来た。
「ねぇ?いいの?」
甘い口づけの間、何度もカカシは問いかける。
「良いれふ?」
イルカはなおもろれつの回らない声を上げて、カカシを誘う。
酔っ払ってる相手につけ込んでしまおうなんて、普段のカカシなら思いもしないことなのだが。
何故かこのチャンスを逃したくなくて、カカシはイルカに覆い被さると、その身体を抱きしめた。
「嫌なら言って?甘やかすと、俺はつけあがるよ?」
耳元で囁くと、イルカはうっすらと笑みを浮かべて、じっとカカシを見つめた。
それが返事だと解釈したカカシは、性急にイルカの浴衣の前を開くと、自身も浴衣を脱ぎ捨てる。
張り詰めた雄が痛いくらい立ち上がって来て、慌てて前をくつろげると、イルカの下着にも手を伸ばした。
イルカはまるで自ら望んでいるように、片足を開く。
カカシはイルカの下着をズリ下ろすと、ぷるりと現れたイルカの性器に目を見開いた。
濡れている。
イルカも性的に興奮しているのだと思うとたまらなくて、カカシはイルカの雄に手を伸ばし、しごいた。
「はぁ、あぁ……あっ」
イルカの口からこぼれ落ちるのは、甘い呻き声で、カカシはその声がもっと聞きたくて、何度も何度もイルカの雄を可愛がった。
イルカの身体はカカシの愛撫に溶け出して、あっという間に絶頂を迎えてしまう。
感じ入ったイルカの鳴き声は、酷く卑猥で、カカシの雄はますます堅く勃ち上がった。
「いいの?ねぇ、本当に良いの?」
カカシは何度もイルカに尋ねる。
焦点が合わない瞳でカカシを見つめるイルカは、声にならない声を上げて、カカシにしがみついた。
イルカの吐き出した白濁で滑る指をイルカの秘所に押し当てる。
襞を割り開き、かき混ぜるように指を差し込むと、そこはきゅっと締まって指を締め付けた。
「はじめて?」
カカシの問いにイルカはこくんと小さく頷いて、それすらも可愛らしくて、カカシは興奮した。
ゆっくりと何度も指を差し入れて、まるでこれから行うことを覚えさせるよう抽挿する。
その度にイルカは目尻に涙を浮かべて、荒い息を吐いた。
カカシはイルカを楽にさせてやろうと、身をかがめてイルカの胸に吸い付いた。
小さな尖りをしゃぶられて、イルカはイヤイヤと首を振る。
シーツの上で広がる黒髪が綺麗だった。
イルカの襞がようやく花開くと、カカシは限界まで堅く勃ち上がった性器を含ませた。
「息吐いて、そうゆっくり。イルカ先生は良い子だね」
カカシの言葉に素直に応じるイルカは、ゆっくりと呼吸を繰り返し、ぎゅっとカカシにしがみついた。
痛みに耐えているのか、爪が立つまで強く抱きしめられて、カカシの額にも汗が浮かぶ。
ようやく性器をイルカの身体の奥深くまで納めて、繋がった頃にはお互い汗だくだった。
「動くよ?いい?」
カカシは何度も何度もイルカに問いかける。
イルカは頷き全て許すと言う代わりに、両手でカカシの頬を包み込み、優しいキスをしてくれた。
その姿が愛しくて、カカシはたまらずイルカを強く抱きしめると、ゆっくりと抜き差しをはじめた。
「ハッ……あぁ」
イルカの口から零れる呻き声は、だんだん甘やかなものに代わる。
痛みから快楽へと変わってきた証拠に、イルカの身体からこわばりが消え、カカシの雄を包み込む肉壁も、柔らかく溶け出した。
それを合図にカカシは思う存分イルカの身体を穿つ。
肌と肌がうち合わさる激しい音と、卑猥な水音に混じって、感じ入ったイルカの甘い嬌声が部屋中にこだまする。
カカシはイルカが完全に意識を飛ばすまで、何度も何度も抱き続けた。


翌日も朝から二人で身体を清めるために入った内風呂で、たまらず身体を交えあって、そのまま布団の上に転がり込むと、再びイルカが動けなくなるまで、カカシは腰を打ち続けた。
こんなに出るのか?と怖くなるくらいイルカの腹に射精して、とろりと開ききった襞からこぼれ落ちる自分の放った白濁にまた興奮して、宿を出なければならない時間ぎりぎりまで、互いの身体を貪り続けた。
おかげでろくに温泉にも入れなかったので、イルカが意識を飛ばしている間に、イルカのために湯ノ花を土産物店で購入して、カカシは再び部屋に戻った。
その頃にはイルカも目を覚ましていて、気怠げに身を起こしていたが、身体が言うことをきかないのか?立ち上がることも出来ずにいた。
カカシはそんなイルカの身体を抱き上げて、浴衣から私服に着替えさせると、ひょいと背中に背負った。
「カカシ先生っ。歩けます。歩けますから」
大の大人の忍びなのに背負われることが恥ずかしいのか?イルカは顔を真っ赤にして、身じろいだけれど、カカシが下ろす気がないと分かったのか、おとなしく背中に抱きついた。
宿を出て雪景色の道を歩きながら、イルカに問う。
「なんで許してくれたの?」
「なんでって……今更そんなこと聞くかな?」
照れくさそうに最後の頃は聞こえないくらい小さな声だったけれど、カカシにははっきりと聞き取れた。
「あなたのことが好きだから」
と。
イルカの気持ちがこそばゆくて、カカシも頬を染める。
この顔がイルカに見られなくて良かった。
「俺も……好きになっちゃったみたい。あなたのこと」
照れているのか、イルカがカカシの背中に顔を埋めた。
頬を吹き抜ける北風は冷たいのに、イルカを背負った背中は温かくて、カカシを幸せな気持ちにさせた。
木の葉の里に帰った翌日、歩けないイルカに代わってカカシがアカデミーへ行くこととか、それを見た紅に二人の関係がバレてしまうことは、まだほんの少し未来の話しだった。